TOP > 医療紹介 > 即時検査

無酢酸透析

通常の透析液には、酢酸が含まれています。
それは、酢酸を添加してある目的は、透析液中のpH(酸性・アルカリ性)の調整するためです。
また、殺菌作用によって菌が繁殖するのを防ぎぐためです。

しかし、酢酸が身体に入ることによる悪影響もあります。

  1. 酢酸には末梢血管拡張作用や心機能抑制作用などがあり、血圧の低下しやすい。
  2. 肝機能の低下があると、酢酸が代謝しきれなく、酢酸不耐症を呈することがあります。
    特に高齢者や糖尿病患者は代謝機能も低下しているので注意が必要です。
    (酢酸不耐症・・・血中酢酸濃度の上昇による透析中の血圧低下、頭痛、嘔気、嘔吐などの不均衡症候群)
  3. エンドトキシンと同様に炎症反応を起こす物質(炎症性サイトカイン)を誘導します。

このような理由から無酢酸透析という方法が考えだされました。透析液にまったく酢酸を含んでないため酢酸を負荷しない治療が可能となってきました。

特徴として、血圧低下などによる透析困難症に対し効果があり、 血行動態への影響が少なく、心機能抑制がありません。 不均衡症候群が現れにくいとも言われています。

当クリニックでは、平成20年4月7日より、全コンソールに無酢酸透析を導入いたしました。